日本人の贅沢すぎる水消費
地球上には、およそ13.86億k㎥もの『水』が存在します。
もし、均等に地球の表面を覆ったとして、2.75kmもの高さになるほどの量となります。
ただし、その97%が『海水』です。
もう2%は、凍った状態で北極や、南極にあり、残りの水もほぼ、地下にあります。
そのため、人間が使える水は、地球上の水のうち、わずか0.01%(約13.5万k㎥)しかないのです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書によれば、21世紀半ばまでに、カリブ海や太平洋などの多くの小島嶼において、少雨期の需要が満たせないほど、淡水資源が減少すると予測されているようです。
そのような状況の中で、日本を含む、先進国が大量に水を消費することによって、損害を受けている立場の人が多数います。
『グローバル・サウス』と呼ばれる地域の人々です。
痛ましい事故も起こりました。2019年には、資源三大メジャー企業の一つである、ヴァーレ社が、ブラジルのブルマジーニョ尾鉱ダムの決壊事故を起こしました。
これにより、大量の土石流が街を襲い、河川はひどく汚染されてしまったのです。
コストカット優先のずさんな堤防設計によって、悲劇が起こったと言われています。
その結果、ヴァーレ社の支払った賠償金は、約7300億円に及び、汚染された川は完全に死んでしまったのです。
水道水は使えなくなり、農業にも、漁業にも致命的な打撃を与えました。
今も世界には、水を満足に手に入れられない人々が、約10億人居るとされています。
彼らが、1日に消費する水の量は、約5ℓ、
私たち日本人が、使っている水の量は、300ℓです。
SDGs(持続的な開発目標)は、世界全体という空間的な「長尺の目」で考えなければ成せないのです。
清潔な水を利用できない国
自宅や近所から安全な水へアクセスできる人口の割合は、徐々にアップしています。
2000年は、81%であったのが、2018年には、89%にまでアップしたのです。
ですが、未だ8億4,400万人の人々が、満足な水アクセスを果たせていないのです。
清潔な水を利用できない国の第1位は、アフリカ大陸北東部の共産主義国家、エリトリアです。
独裁政権であることと、難民の通り道になっていることなどが、水アクセスを困難にしているとし、
人口の19%しか自宅近くに清潔な水を利用することができていないのです。
◾️清潔な水を利用できない国TOP10(2018年)
順位 | 国名 | 基本的レベル以上の 水アクセスがある割合(%) |
1 | エリトリア | 19 |
2 | パプアニューギニア | 37 |
3 | ウガンダ | 38 |
4 | エチオピア | 39 |
5 | コンゴ民主共和国 | 39 |
6 | ソマリア | 40 |
7 | アンゴラ | 41 |
8 | チャド | 43 |
9 | ニジェール | 46 |
10 | モザンピーク | 47 |
水汚染が引き起こす問題は、地球環境だけではない
地球上の水のうちに人類が使える水は、たったの0.01%しかありませんでしたね。
しかし、人口増加に伴い、水需要は今後も増えていくとされています。
2050年には、年間3800k㎥の水が必要だとされていますが、これは地球上の全淡水量に匹敵します。
工場の産業排水、家庭から出る生活排水、気候変動による水質汚染などが進み、安全な水はすでに不足しているのです。
水汚染は、生態系にも深刻な影響を与えるほか、不衛生な水を飲むことによる健康被害も引き起こします。
WHOのデータによると、世界ではすでに約20億人が汚染された水を飲んでいるとされています。
こうした中で、不足した水を巡って、世界中で紛争が起きているのです。
2000年から、2019年までの20年間で、水を巡る紛争は、676件も起こっています。
特に、中東は、水不足が深刻な地域ということもあり、水紛争がたびたび起こってきています。
中でもナイル川の利水に関する協定は、植民地時代のパワーバランスをもとに設計されているため、
上流国と、下流国の間に不公平さをもたらし、紛争の大きな要因となっているのです。
解決策としては、エアコンや洗濯機など電化製品から出る排水の再利用が挙げられています。
特にエアコンの排水は比較的清潔であるため、この排水を再利用することは、現実的な解決策として言えるのです。
人体でも動脈と、静脈が両方機能していることが重要なように、水問題も供給だけでなく排出を考えなかればならないのです。
世界で起きている『水紛争』
日本のような島国では、あまりイメージが湧きませんが、1本の河川の水を複数の国家が利用しているケースが世界には多々あるため、それが紛争の原因となっているのです。
以下は、代表的な水紛争の例を10個です。
- ドナウ川
スロバキア・ハンガリー運河の水利用のため、ダム建設を共同で進めるも決裂した。 - チグリス川・ユーフラテス川
水不足が深刻なトルコ・シリア・イラクによる紛争。 - アラル海(アムダリヤ川・シルダリア川)
カザフスタン共和国・ウズベキスタン他による、水配分をめぐる紛争。 - イムジン川
北朝鮮が予告無しに大量の水をダムから放流し、韓国内で死者を出す大洪水に。 - マレーシア・シンガポール
マレーシアから供給される水の価格をめぐる争い。 - ガンジス川
インド・バングラディシュ間において、水配分と乾季における増水について協議。 - ザンビア
内戦下で、水供給が停止された。 - ナイル川
エジプト・スーダン・エチオピア間において、ダム建設と、水配分をめぐる争い。 - ヨルダン川
イスラエル・ヨルダン・レバノン他、水の配分をめぐる紛争。とりわけ深刻なのはガザ地区。 - ボスニア
ボスニアにおいて、戦争による水供給の停止。
日本に居ると、全く考えたことも、身に起きた事もない水を巡る紛争が、世界各地ではたくさん起こっている現状があるのです。
これから先、水に恵まれた、日本国に暮らす私たちだからこそできる、各国の問題に何か向き合っていけると良いなと感じたホラでした。
資源やエネルギーを活用した、知識を見つけていくことで、その何らかの助力になっていけるよう学んで行こうと思います。
僕も頑張ります。
一緒に頑張りましょう٩( ‘ω’ )و