【水資源が豊かな日本の飲料水】水道水 vs ウォーターサーバー

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『飲み水』の条件

◾️飲料水の水質基準(水道法第4条)

  1. 病原生物に汚染され、または、病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは、物質を含むものではないこと。
  2. シアン、水銀、その他の有毒物質を含まないこと。
  3. 銅、鉄、フッ素、フェノール、その他の有毒物質をその許容量を超えて含まないこと。
  4. 異常な酸性、またはアルカリ性を呈しないこと。
  5. 異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。
  6. 外観は、ほとんど無色透明であること。

※上記、これら全てを満たすこと!

『雨水や海水から、飲料水を作る』技術の進化

雨水や、海水は、科学技術によって、飲料水に変えることが可能となっております。

長崎県五島市にある赤島では、『雨水』を採取し、29項目に及ぶ水質検査をした結果、
p H(ペーハー:水素イオン濃度・液体が酸性かアルカリ性かを測る指標)に微差があったものの、ほぼ飲料水と変わらないことが判明したのです。

ただし、降り始め、約30分までの雨は、空気中の汚れを含んでいるため、除去する必要はあります。
このような工程を経て、赤島では、雨水が生活水として利用されているのです。

次に、『海水』を飲む方法です。


海水を、『淡水』にする方法は、2種類です。
「海水を加熱して、純粋な水蒸気を取り出す方法」と、「『逆浸透法』と呼ばれる新しい方法」です。

後者については、まず『浸透圧』を知る必要があります。
これは、海水から真水にするメカニズムです。

「淡水と塩水」を『半透膜(一定の大きさ以下の分子だけを通す膜)』で仕切り、容器に入れると、塩の濃度を同じにしようとする働きが起こり、その結果、淡水が膜の反対側の塩水へ染み通って移動します。

この時、互いの水の高さの差に応じて、圧力が生まれます。これが通常の『浸透圧』です。

「逆浸透法」のメカニズムは、その浸透と逆の動きを利用した原理の手法を用いております。
浸透圧以上の圧力を、塩水側に強制的に圧力を掛けることで、塩水側の水の分子だけが半透膜を超えて、淡水側に自然に押し出される原理を利用することで、海水から淡水を作り出せるのです。

ただし、逆浸透は、処理に時間とコストが掛かるほか、美味しい水の条件であるミネラルなども除去してしまうデメリットもあります。



熱を利用する方法も、逆浸透法も、余った濃い塩水の処理に課題が残りますが、すでに海水を淡水化する施設は、世界に約1万6000ヶ所、存在しています。

2022年5月には、東京大学の研究チームが塩分カットして水だけを高速で通すチューブを開発しています。
こうした新しい技術は、非常に重要ですが、それと同時に実用化に向けたコスト低減が課題となっています。

『水道水』に満足できなくなった日本人

日本の水道は、最も重要なインフラだが、それだけに厳格な信頼性を求められるために、近年では様々な問題を抱えております。

深刻なのは、日本の水道施設は老朽化が進んでいることです。
50年以上前に整備された水道施設も多く、水道管の破裂事故は、年間1000件を超えています。

加えて、財政ひっ迫や人口の減少に伴い、担当職員の減少(30年で30%減)と相まって、
その対応も進んでいない上に、水道代の値上がりは避けられず、このままでは、「高くて不味い水道水」が当たり前になってしまうかもしれないのです。

そのような幾つかの背景の中で、ウォーターサーバーが台頭してきているのです。

『ウォーターサーバー事業』の背景

事実、内閣府の「水循環に関する世論調査(令和2年度)」によると、
水道水を飲み水として、利用している人は日本人の43.9%にとどまりました。

33.9%がミネラルウォーターを、28%の人は、浄水器を設置して水を飲んでいるのです。
日本人は、すでに水道水では満足できなくなっているのです。

しかし、ミネラルウォーターのペットボトルは重く、定期的に買い出しに行くのは一苦労で、宅配に頼ろうにも、送料の問題が出てきますね。
実際に、すでに「天然水に限り、特別配送料を頂きます。」といった通販業者も出てきております。

そのような状況に目をつけ、2022年9月、家電量販店のビックカメラグループが本格的にウォーターサーバー事業を開始しました。

家電の運搬に手慣れたビックカメラは、重い物を搬送する技術や、ルートを確保しており、この技術を転用すれば、水の定期的な発送もできるというわけなのです。

このように水という、不変の資源からも新たな付加価値を生み出せるのが、人間の知恵でもあり、危機の萌芽でもあるのかもしれないのです。

飲料水の確保は、古くて、新しい永遠の課題で、常に新しい発想が必要なのですね。

『ウォーターサーバー事業』の現在地

近年、伸びてきているウォーターサーバーですが、日本では、まだそこまで普及していないことも現状です。

リサーチ会社マイボイスコムのアンケートによれば、
家庭用ウォーターサーバーの利用経験者は、全体の1割強、現在の利用者は、約5%と、
海外と比較して圧倒的に低い水準となっています。

一方で、「日本宅配水&サーバー協会」は、2008年の時点で、成長率は、133.8%、2021年の推定成長率は、103.9%と発表している。

実際に、顧客数も右肩上がりになっているのです。
2007年んいは、67万台だったが、2011年にはその約4倍の249万台となり、
2021年には、460万台を超えたとのこと。

2021年の増加要因は、「コロナウイルス感染防止の影響により、在宅勤務や外出自粛などが社会現象となり、宅配商品が一般化、備蓄やストックも社会的に認知増加した」としているようです。

水資源に恵まれているはずの日本における、水不信

ここまででわかるように、日本では、厳格かつ明確な、飲料水への基準を設け、行政がメンテナンスを行なっており日々、私たちの家庭には、安心して飲める水が届けられていますね。

それでも、なお、満足のしない、日本国民は少しずつより良い水を求めている傾向は顕著に表れているのですね。

何が良い、正しい、などは各個人やそのご家庭ごとの基準で設けられているものに準じるのが自然な流れかとは思います。

ですが、同時に、どういった基準にある水が、そもそも私たちの身体にとって良くて、必要不可欠な成分が入っている水は、どの程度のレベルであれば良いか?など、
きっちりと知識とその理解を身につけていくことで、足るを知る事も大切なのかもしれませんね。

より良い基準を、決めるための知識を備え、次世代へのバトン渡しにおいて、
しっかりと学んでいこうと思います。

僕も頑張ります。
一緒に頑張りましょう٩( ‘ω’ )و

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